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第10回 沖縄の水 デジタルフォトコンテスト

 平成26年6月1日~8月4日の応募期間におきまして、408点のご応募をいただき、9月下旬に審査委員会を開催しました。 沖縄県写真協会名誉会員の安里審査委員長をはじめとする審査委員による厳正な審査の結果、最優秀賞1点、優秀賞3点、佳作5点、入選15点、特別賞3点の 合計27点が入賞しました。 たくさんのご応募ありがとうございました。

※表彰式は台風19号の為、中止となりました。

総評

 「水の大切さ」をテーマに始まった公募展も、早いもので10年の節目を迎えました。出品者の中には、10年間作品を出し続けている方もおり、とても驚いています。出品者の方々には、審査員一同、感謝を申し上げるとともに、審査にも気が引き締まる思いです。

 今回の審査は9月22日、7人の審査委員で何度も審査を繰り返す中、厳正に行われました。

 ここで、今回の応募に関する内訳の一部を見てみますと、全部で120名、408点の応募がありました。前回に比べると、応募者数で74名、応募作品数で 388点の減となっています。そのような中、小・中・高・大学生の出品者(47.5%)より、一般の出品者(52.5%)がわずかに多いのは、指導的立場 からすると救いかもしれません。学生の数はわずかに一般に足りませんが、他の公募展より若者の数が多いのは頼もしい限りです。

 作品の傾向としては、毎年テーマが一貫していることもあり、似たような作品が多いのは仕方のないことなのかもしれません。それだけに、作品に向かう集中力も見逃せません。写真の技量は毎年レベルアップしてきており、審査員をうならせる作品もあります。

 また、民俗的な作品として生活に密着したものや、失われていくものなどは、被写体としてあっても良いような気がします。例えば、第1回最優秀賞作品の被 写体は水タンクですが、沖縄は貯水ダムが増加しましたので、屋根の上の水タンクは今後必要ないと言われています。さらに、井戸拝みや元旦のお水取りの儀式 などもこのような被写体に当たるものと思います。今後もより多くの被写体が出品されることを期待します。

 最後に、入賞・入選された皆さま、おめでとうございます。落選された皆さまの作品も決して悪い作品ではありません。次回を期待したいと思います。

 アドバイスとして、作品の中に見える思い入れのある長いタイトルは、作品に懸ける情熱が感じられて良いのですが、短くても重みのあるタイトルにも魅力を感じますので、参考にしてみてください。

 なお、最優秀賞・優秀賞・佳作・特別賞の各講評については、それぞれの審査員の講評を御覧ください。

審査委員長
沖縄県写真協会名誉会員 安里盛昭

最優秀賞

「水辺の花火」新盛 基史

「水辺の花火」新盛 基史

講評(審査委員:仲本 賢)

 沖縄の夏の水辺の風物詩としてのサガリバナ。特に石垣平久保のサガリバナ群落は有名ですが、この作品では様々な偶然と必然的技術が重なって美しく表現できています。暗い水面に浮かび光り輝く花と黄緑色の葉っぱは、作者のいうように水辺に咲いた夏の美しい花火のようです。全審査員が一目惚れした逸品です。

優秀賞

「訓練」長堂 嘉秀

「訓練」長堂 嘉秀

講評(審査委員:上間 丈文)

 貴重な命の水は、「火消し」というこのような使われ方をされることにも注目したいものであります。そして、消防士の本番さながらの命がけの訓練の一シーンの中に、放水の水しぶきの勢いや躍動感が感じられ、とても新鮮であり、斬新なインパクトがあります。

「雨あがり」伊芸 政秀

「雨あがり」伊芸 政秀

講評(審査委員:山田 祥包)

 雨降りは仕事がなくて退屈だ。 仕方がないので雨あがりをじっと待つのだが、すっかり雨に濡れてしまったので、強い風でも吹かないかなぁと 落ち着きのない子もいるようですね。 日頃見慣れた風景もよく観察するとストーリーが見えてくる。 雨あがりの透き通った心地よい風を感じます。

「Stardust Shower」宮義 洋史

「Stardust Shower」宮義 洋史

講評(審査委員:喜名 朝駿)

 天体を題材にした作品の入賞は当フォトコンで初ではないでしょうか。身近な沖縄の基幹作物の「さとうきび」への散水と、遥か彼方の夏の夜空に流れる迫力ある「天の川」のコラボレーション、スケールの大きな作品です。星空の撮影やパソコンでの画像処理等の知識と技術を持っている人でないと作れない作品ですので、作者はかなりの力量のある方だと思います。

佳作

「夏を描く」楚南 さゆり

「夏を描く」楚南 さゆり

講評(審査委員:山田 祥包)

 水は生きる為に必要不可欠なもの。描く時も水の潤いはありがたい。 たくさんの絵筆は水と色と夏の想いを吸い上げる。 熱を帯びた画用紙に、濃く深く滲み、透き通るように吸い込まれ、 また、生命が宿るようである。

「水遊びといえば・・」鈴木 幸一

「水遊びといえば・・」鈴木 幸一

講評(審査委員:仲本 賢)

 竹の水鉄砲で遊びに興じる子供たち。発射された水の軌跡、子供たちの表情、画面の明暗の比率のどれもがタイミング良く、夏の楽しく爽やかな光景を演出しています。決定的瞬間をとらえた大変良質な作品です。

「静寂」仲程 梨枝子

「静寂」仲程 梨枝子

講評(審査委員:喜名 朝駿)

 日本画を思わせる美しい作品です。黒を基調に白い波紋、そして赤い花に緑の草を添え、大変印象的な作品に仕上がっています。作者は美的感覚、色彩感覚の優れた方だと思います。題名は「静寂」ですが、波紋に動きがあり、静寂の中に何か水音のメロディーが聴こえてくるような気もします。

「虹のあやはし」金城 光友

「虹のあやはし」金城 光友

講評(審査委員:我如古 真子)

 インパクトが強い作品です。橋を中心としたシンメトリーの構図が全体的なバランスの良さと力強さを感じさせます。 滅多に見られない偶然に出会えた感動が見る側にも伝わってくる素晴らしい写真です。タイトルも素敵です。

「青空の下で」吉元 健途

「青空の下で」吉元 健途

講評(審査委員:浦本 寛史)

 眩しいばかりの「白いTシャツ」と夏の象徴「麦わら帽子」の存在、そして滝から流れ落ちる水の表現が一層「終わらない夏」を強調しています。一つひとつの要素が上手く配置され、滝の涼しい風と心地よい木漏れ日が見る者の心を捉える作品です。自然に包まれている実感も味わえます。

入賞

「おぉ、綺麗になってきた」

「おぉ、綺麗になってきた」
前原 信一

「水のカーテン」

「水のカーテン」
おおき ゆうこう

「小ちゃな噴水」

「小ちゃな噴水」
山内 弘子

「恋の季節」

「恋の季節」
山内 昌昭

「暑い日」

「暑い日」
我那覇 安勇

「雨やんで」

「雨やんで」
小出 由美

「お花見の楽しみ」

「お花見の楽しみ」
米田 恵子

「水のサポーター」

「水のサポーター」
當山 剛

「ジャンプ」

「ジャンプ」
長松 美優

「旅立ち」

「旅立ち」
さき

「ハレルーヤ」

「ハレルーヤ」
真喜志 彩乃

「井戸のある日常」

「井戸のある日常」
中里 立花

「水面に咲く華」

「水面に咲く華」
平良 翼

「水のカーテン」

「水のカーテン」
加藤 寿法

「宙を架ける(そらをかける)」

「宙を架ける(そらをかける)」
島袋 賢太

特別賞

高校生の部
「かおっ!」杉崎 芽心

「かおっ!」杉崎 芽心

講評(審査委員:上間 丈文)

 偶然にも、この驚きを表現する「かおっ」ができたこの一枚の写真は、同じものが2度と撮れない作品として、まさに驚きであり、何か、引きつけるものがあります。

中学生の部
「2匹で水泳ダイエット頑張ってます!」金城 泉花

「2匹で水泳ダイエット頑張ってます!」金城 泉花

講評(審査委員:浦本 寛史)

 安定した構図は一見普通の池の光景だが、「中学生が撮影…」と思うと何となく作家に会ってみたくなる作品です。さらに、退屈な画面に「2匹で水泳ダイエット頑張ってます!」とタイトルをつけたのも、退屈な画面に心地よい会話が生まれそうな気がします。「確かに太った鯉だね」と!「でも後ろの鯉はそうでもないよね」と…。

小学生の部
「あめ1」金城 拓海

「あめ1」金城 拓海

講評(審査委員:我如古 真子)

 雨と共に広がるドラマ性が非常に素敵な作品です。 雨・飛行機・ハート型のシンプルな関係性が見る側の想像力を引き立ててくれます。構図などもセンス良くまとめています。

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